直前期に勉強から逃げるのは自然なこと(セルフハンディキャッピング)
また、今まさにその状態でネットサーフィンやYouTubeを観ている状態ではないでしょうか?
私も簿記論と財務諸表論を受験した頃、直前期ゴールデンウィークの実習室でずーーーと「YouTube」「ニコニコ」&「合格者の受験ブログ」を見ていました。
結果、財表を落としてしまいました。(ここで合格していれば税理士合格の年齢が1歳若くて、預金通帳が今より20万ほど多かった気がします。)
これは、心理学的に見てみると「セルフハンディキャッピング」という状態にあるそうです。
税理士試験に不合格した場合に「自分の頭が悪いのではなく、大切な直前期に遊んでいたからしょうがないのが悪いんだ」と言い訳できるような行動をとってしまうのです。
これは、心理的に自然なことのようです。
竹内龍人著「進化する勉強法」 引用 p74〜
- なまけているのではなくても、やらなくてはならないことをつい先延ばしにしてしまうことがあります。そのようなときには、心理学の用語で言うセルフハンディキャッピングが起きているのかもしれません。
- 自分の頭が悪いから悪い結果になったのだと思いたくない、そんな気持ちを持ちたがる人がセルフハンディキャッピングによって勉強の先延ばしをしてしまうことが多いのです。
- セルフハンディキャッピングをしがちな人は、テスト結果はその人の能力(例えば頭の良さ)を表していると考えてしまっていることが多いのです。一方でセルフハンディキャッピングをしない人は、テスト結果はその人の努力(どれくらい勉強したか)を表していると考えています。結果が悪くても、次に努力をすれば良いのだ、と考えます。
勉強から逃げないようにするには?
メンタル面「税理士試験は“努力”を測るテストと認識すること」
上に書いたように、本試験が“能力”ではなく“努力”を測るものであることを意識しなければなりません。ここで「“能力”のAさん、“努力”のBさん」を比較してみます。
「税理士試験の結果は、“能力”を表している」と考えるAさん
もし不合格なら「自分の頭が悪いこと」が証明されてしまう
↓
直前期になり試験が近づく
↓
直前期に税理士試験の勉強以外のことをする
(遊ぶ、他の勉強をする、税理士試験後の妄想をする)
↓
試験を受ける
↓
試験後
Aさん「直前期に勉強をしていなかったので落ちてもしょうがないよね?」「私の頭は悪くない」
「税理士試験の結果は、“努力”を表している」と考えるBさん
もし不合格なら「自分の努力が足りないこと」が証明されてしまう
↓
直前期になり試験が近づく
↓
直前期に税理士試験の勉強する★努力しなきゃ!
↓
試験を受ける
↓
試験後
Bさん「直前期に勉強できた」「次の科目の試験に向けてさらに努力するにはどうすれば良いだろう?」
この記事だけで納得できない場合は、竹内龍人著「進化する勉強法」のp74〜p79を読んでください。セルフハンディキャッピングのことだけでなく、難関試験に受かるための考え方や方法が詰まっているので、買って損はないです。私はこの本で税理士試験に受かったようなものです。
環境面「ゆうパックを使ってスマホから離れる」
時間泥棒のスマホやパソコン
セルフハンディキャッピングの効果により、試験勉強の代わりを探してしまいます。ここで試験勉強の代わりになってしまうのが「スマホやパソコン」です。
アプリを立ち上げれば永遠と時間を潰すことができます。
直前期はパソコンの必要性がない
ここで反論があるかと思います。そうです。
「スマホやパソコンがないと講義見られないじゃん!」です。
本当にパソコンが必要でしょうか?
直前期は、“答練の解き直し”や“理論の覚え直し”が中心になります。(講義もテスト中心であり、テストを受けて、分からないことを質問する感じだと思います。)
1月から4月によくやっていた“前の講義を見返して復習”という勉強が直前期には激減します。
パソコンやスマホで講義をみる必要性は直前期には無いのです。
つまりスマホやパソコンを1週間ほど使えなくても問題ないのです。
具体的方法
スマホとパソコンをゆうパックで自分の住所に1週間後に届くように送っていました。自分がオフと決めた曜日の午前中に届き、その日の午後にゆうパックで送る感じです。
(ゆうパックなら、差出日から10日先までを指定することができます。https://www.post.japanpost.jp/question/188.html)
LINE等に「木曜日しか返信ができない」と記載しておく
↓
【木曜日】スマホとパソコンをゆうパックで送る
↓
スマホやパソコンのない1週間 集中して勉強
↓
【来週の木曜日】
ゆうパックが届く
LINE等で色々返信、観たかった動画みる
スマホとパソコンをゆうパックで送る
↓
スマホやパソコンのない1週間 集中して勉強
スマホから離れるのは直前期だけ
誤解して欲しくないのですが、この方法は直前期限定ということです。
「セルフハンディキャッピングの影響が多い」かつ「パソコンの必要性の少ない」直前期のみ、スマホ等を強制的に離すのです。
直前期以外なら、講義の動画もすぐ観られて、気になることをすぐに調べられるスマホやパソコンは強い味方です。
ただ直前期だけは距離を置きましょう。
最後に
セルフハンディキャッピングのことを知らないとほとんどの受験生はAさんタイプになってしまいます。普段なにげなく「天才」や「能力高い」といった言葉を使い、なんとなく「必死に努力ってカッコ悪いよね」と考えているとAさんタイプになってしまいます。
逆に考えれば、みんなAさんタイプの中、Bさんタイプになれれば直前期の怒涛の追い上げが可能です。
私もセルフハンディキャッピングを意識して、ゆうパックでスマホと離れることで直前の直前まで努力することができました。
スマホを離すことが難しい場合は、夜だけでも一時的に預かってくれる人を探すなど、いろいろ工夫してみてください。