財務諸表論の直前期(直プレ~本試験まで)を具体的に説明





前回の続きです。
ちょっと後半に分けました、1つの記事だと読みづらいと思ったので。
前回は、直前期の過ごし方として、おもにノルマの作り方を勉強法にも触れながら書きました。
ノルマの作り方を意識すれば、本当の後半本試験直前の1週間に「なにすればよいかわからない」という状態にはならないかと思います。勉強の消化不良はモチベーションの低下を招くので、しっかり消化できるよう(かつ大量に消化するよう)工夫しましょう。

今回は、それをもとに実際に日付ベースで本試験までの道のりを書いていこうと思います。
本試験をまだ受けたことがない人が、直前期を意識できるように書きたいと思います。
また重要なのは本試験1週間前なので、そこだけでも見てくれると助かります。

勉強ノルマの見方

ノルマづくりの際には、次のようにノルマ名称を数字に省略しました。
(初めて財務諸表論を受ける人は、ざらっとみて「これからこれを身につけるのかー」と思ってくれれば良いです。)

6月下旬にExcelでノルマスケジュールを作成して、実際に勉強したらペンでチェックを入れます。
(ノルマの進捗経過がひと目で分かるのでモチベーションの維持につながります。)


①理論テキストに書いた問題と答えをアウトプットする

1章 財務諸表論の基礎概念
2章 一般原則
3章 損益計算総論
4章 損益計算各論
5章 貸借対照表総論
6章 資産総論1
7章 棚卸資産
8章 固定資産
9章 繰延資産
10章 負債1
11章 財務諸表論の基礎概念2
12章 損益計算論
13章 資産総論2
14章 金融商品
15章 収益性の低下
16章 リース会計
17章 研究開発費等会計
18章 負債2
19章 純資産会計
20章 ストック・オプション会計
21章 税効果会計
22章 会計上の変更及び誤謬の訂正
23章 外貨換算会計
24章 企業結合会計・事業分離会計
25章 連結財務諸表
26章 キャッシュ・フロー計算書
27章 四半期財務諸表



②計算要点チェックノートの確認

1章 財務諸表等・その他の基本項目
2章 現金及び預金
3章 固定資産
4章 引当金
5章 有価証券
6章 棚卸資産
7章 繰延資産
8章 税金
9章 税効果会計
10章 株主資本
11章 外貨建取引
12章 会社法規定等
13章 社債・新株予約権等
14章 財務諸表等規則に基づく財務諸表
15章 退職給付会計
16章 研究開発費等
17章 本支店会計
18章 製造業
19章 キャッシュ・フロー計算書
20章 企業結合会計
21章 会計上の変更等
22章 連結会計
23章 分配可能額
24章 金融商品応用項目


③答練理論 読み

1 実力判定模試1
2 実力判定模試2
3 実力判定模試3
4 実力判定模試4
1 プレ模擬試験1
2 プレ模擬試験2
1 直前対策模擬試験1
2 直前対策模擬試験2
全統 全国統一模試
1 直前予想公開模試1
2 直前予想公開模試2
3 直前予想公開模試3



④TAC基準 読み

1章 企業会計原則及び企業会計原則注解
2章 企業会計原則と関係諸法令との調整に関する連続意見書
3章 金融商品に関する会計基準
4章 リース取引に関する会計基準
5章 固定資産の減損に係る会計基準
6章 棚卸資産に関する会計基準
7章 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い
8章 研究開発費等に係る会計処理
9章 退職給付に関する会計基準
10章 資産除去債務に関する会計基準
11章 税効果会計に係る会計基準
12章 工事契約に関する会計基準
13章 企業結合に関する会計基準
14章 事業分離等に関する会計基準
15章 貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準
16章 自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準
17章 ストック・オプション等に関する会計基準
18章 連結財務諸表に関する会計基準
19章 包括利益の表示に関する会計基準
20章 会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準


⑤総合問題

62 本試験62
63 本試験63
64 本試験64
65 本試験65
66 本試験66
1 実力判定模試1
2 実力判定模試2
3 実力判定模試3
4 実力判定模試4
1 プレ模擬試験1
2 プレ模擬試験2
1 直前対策模擬試験1
2 直前対策模擬試験2
全統 全国統一模試
1 直前予想公開模試1
2 直前予想公開模試2
3 直前予想公開模試3


日付ベースでの具体的状況


直前期の前 実力判定模試

大原で直前パックを申し込んで、4月の実判から教室通学に合流しました。
実質4月から財表の勉強をスタートさせたので年内と年明け付近の貯金がない状態でした。もうすこし貯金があればもっとしっかりノルマをこなすことができたかと思います。
それまで何をやっていたかといえば、働きながら国徴やってました。

最初の模試(実判1)は平均点でした。



この時期に力を注いでいたのは、「計算テキストの必要な論点を要点チェックにまとめる作業」と「理論」です。
計算については、教科書内の論点を要点チェックノートへまとめることで頭の中が整理でき、比較的好成績でした。
理論は、実際に模試で初めて書いたということもあり、なかなか手が動きませんでした。

4月から仕事を週3にしてもらい、なんとか追いつくように頑張りました。


6月下旬〜7月上旬 プレ模擬試験&直前対策模擬試験


このへんは、7日間で全ノルマを1周するスケジュールを立てました。
実判では理論の範囲を見ましたが、プレ直対では事前に範囲を見ずに解きました。
実際に1週間で1周しているので意外とかけます。
模試を受けてみて、書けるものは暗記できているもので、書けないものは頭に入っていないものです。

範囲を見ないことで、
・本試験の雰囲気で解ける
・作文に強くなる
・暗記てきていない部分がわかる
というメリットもあります。

理論の範囲をみて模試を受けてしまうと、覚えにくい論点も書けてしまい、自分の弱点(覚えにくい所)が把握できません。
この時期行われる模試(プ1 プ2 直1 直2)の成績はこんな感じでした↓


7月中旬 全国統一模試


2模試が終わり、ヤマ当て講義(大原の予想を公開し、論点の重要性をABCDランクで説明する講義)が終わると10日間ほどの休校期間があります。
この休校期間は、だらけないように気をつけました。
結果2、3日だらけてしまいましたが、ノルマがなければもっと壊滅的にだらけていたかもしれません。

この時期は少しペースを上げて、3日間で全ノルマを1周するスケジュールで勉強しました。
また、財表より難しい簿記論問題集も解いていました。(減損損失、資産除去債務、圧縮、リース、有価証券、商品、固定資産推定、などを1回だけ)
ノルマをこなすのはキツかったですが、大原の自習室から追い出されるまで(夜10時前)勉強していれば意外と消化できます。
この時期に夕方家に帰るのはオススメしません。

1日中専門学校で勉強する場合には、朝にコンビニで昼飯を買っておくことをオススメします。
炎天下の中、昼飯に出かけてしまうと疲れてしまい、勉強がいやになる恐れがあります。

718日には、大原最大級の模試である「全統」があります。
現時点の自分の立ち位置がわかるので必ず受けるようにしましょう。
今年の全統は、「繰延資産・研究開発費」「収益認識・工事基準」がでました。
満遍なく勉強をしていたので、基本項目を落とさないで解答することが出来ました。



7月下旬 直前予想公開模試


全統が終わるとすぐに、難易度の高い模試(予1 予2 予3)があります。
この時期も、3日間で全ノルマを1周するスケジュールで勉強しました。

総合問題(計算)がこなせていなかったため、あまり総合問題の得点は良くなかったです。
一方、理論の方は実力がついてきました。理論を書くスピードも上がったと思います。(この時期になると57周しているので)


試験1週間前 直前でスケジュールを見直す

試験1週間前になると模試がありません。
(一応、今までにやった模試を入れ替えて出題するファイナル模試というものがありますが)
試験1週間前ということもあり、今までに出来ていないノルマを考慮して、ノルマスケジュールを作り直しました。
ちなみに81日から試験まで仕事のお休みをいただきました。

新たに作成したノルマスケジュールの特徴は、
112時間問題を解く(過去の模試を)
11台総合もないを解く(2時間問題とあわせて12台の総合問題を解くことになる)
・その他は、3日間で全ノルマを1周するスケジュールで勉強

6月下旬に作成したノルマ


修正したノルマ(手書きで作りました)



81日 
2時間問題 → ファイナル模試(教室で)内容は全統
総合問題 → 予2
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3

82日 
2時間問題 → プ1(自習室で)
総合問題 → 65
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3


83
2時間問題 → プ2(自習室で)
総合問題 → 64
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3


84日 
2時間問題 → ファイナル模試(教室で)内容は66
総合問題 → 63
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3


85
2時間問題 → 直1(自習室で)
総合問題 → 62
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3


86
2時間問題 → 予想1(自習室で)
総合問題 → 実14読む
理論アウトプット・計算要点チェック・TAC基準 → 1/3


残り1日ということもあり、最後にノルマの修正を行いました。

87
計算要点チェックノート 124(全範囲)
新株予約権付社債と減損損失などの個別問題を解く(1時間半)
理論ABランクのものを確認(ノルマが出来ていないものを優先的に)
2時間問題 予想3(ここで人生初めて計算で満点50点をとりました。)
今までの模試を見返す(実1~予想3
理論C,Dランク
寝るまでTAC基準




88日(本試験当日)
8時大原着
計算要点チェックノート 124(全範囲)
総合問題66回 (30分ぐらい軽く解く。全部解かない)
理論確認(連結財務諸表、退職給付、工事基準)
1215分 着席
1230分 試験開始
1430分 試験終了


まとめ ノルマに助けられた

実際に直前期の過ごし方を書いてみました。
直前期の雰囲気が伝われば幸いです。

理論テキストのアウトプットが一番時間かかりました。
9月か1月に勉強をスタートして、アウトプット練習ができていればもっと楽にノルマをこなせたと思います。

予め1ヶ月超のスケジュールを作って、それどおりに勉強するというのは結構おすすめです。
このメリットは前回書いたのですが、本当に自分が勉強すべき点、弱点が明確になります。
また、ノルマ以上のプラスαをこなして、それをスケジュールに書き込めば、いつどんな+アルファに取り組んだかも明確になります。
(メンタル的にも「これだけやったんだ」という安心材料になります。)



次は、一番受験生に見てほしい総合問題の解き方です。
計算は、いかに論点を暗記し、解き方を工夫し、ケアレスミスをなくす心がけをする、というのが勝負です。
このうち、解き方を中心に私の総合の解き方を公開したいと思います。

いままでに同じ解き方をしている人を見かけなかったので、おそらく唯一無二だと思われます。