直前期の過ごし方は、本当に重要です。
9月から4月の間の努力に比べ、直前期ラスト1ヶ月の努力のほうが報われやすいです。
簿記や財表はスポーツと似ているので、直前に努力できないとマズイです。
前回65回は、1月から猛烈に勉強して結構な習熟度になったのですが、直前期過ごし方を間違えて実力がかなり落ちてしまいました。
その反省点をもとに、計算・理論の学習、模試の取り組み方にも触れて書きたいと思います。
どのように直前期を過ごしたか
ここでいう直前期とは、6月後半から始まる模試(直前対策1回2回とプレ1回と2回)から試験日8月8日までのこととします。
1日のノルマを作る
予めExcelでノルマを作成してそれをこなしていくようにスケジュールを組みました。
ノルマを作るメリットとしては、
①やることが決まっているのですぐに勉強をスタートできる。
②ノルマをやりきれば、ひとまず安心できるので気持ちよく寝れる。
③ノルマが出来なくても、できなかったものがハッキリするためその後の強弱を付けやすい。(先週18章が出来てないから、今週の18章は丁寧に勉強しよう!とか)
④何日かで全範囲が1週できるようにノルマを作れば、試験日までに満遍なく学習できる
理想な形で作ったノルマなので、全然こなせていませんでした。
ただメリット③にもあるとおり、時間がなくて手が回らなかったところがハッキリするので試験直前に何をすべきかというのが考えやすくなりました。
私は6月後半から試験日までに、12回転するスケジュールを組みました。
実際は直前1週間でスケジュール修正し、およそ10回転になりましたが。
ノルマを作るときのポイント
ノルマを作る際には、仕事がある日や模試がある日を考慮してつくります。
流石に仕事があり、勉強時間が多くて4時間しか確保できないときに8時間はかかるノルマを組むのはやる気が下がるので。
分かる範囲で色々考えて作成します。
実際に作ったノルマ
直前期の勉強方法としては、以下の5種類があります。
①理論テキストに書いた問題と答えをアウトプットする
自信があれば頭だけで、自信がなければ汚い字でサラっと書きます。
(私は要点チェックノートにある問題と今までに出てきた模試の問題で重要そうなものは、理論テキストに書き込むようにしていました。)(基本は要点チェックノートとかにメモっていくと思うのですが、書き込みスペースが小さかったのと、教科書を見なくなりそうで怖かったので。)
↑ゼブラの暗記マーカーで重要なところを塗りつぶして、赤シートで隠しながら確認していきます。接続詞とかは最後まで塗りつぶしませんでした。財表は作文OKなので重要な語句が暗記できて作文できればソッチのほうが強いです。
ここのスケジュールの組み方はポイントがあります。
普通は、ページ数や章で分けるかと思いますが、私は問題数で分けました。
スケジュールを作成した時点で問題が563台あったので、それを7日で割ったり、3日で割って、1日目は1章2章3章、2日目は~という感じにスケジュールを組みました。
これをやっておかないとページや章ごとにばらつきがあるので、ノルマをこなしにくくなってしまいます。
また、これをしておくと時間がかかる所が把握できるので、「14章は一番多いから時間がかかるのは仕方ない」と思うことができ、やり遂げたときのモチベーションにもつながります。
ちなみに8章固定資産、14章金融商品、25章連結等が多いですね。
※有形固定資産の取得原価について以下の取得方法から答えよ
1 購入
2 自社建設
という形であったら、これは2問として数えます。
②計算要点チェックノートの確認
財表に出てくる論点を、計算要点チェックノートにまとめたものを読み返していました。
簿記論のテキストからも財表に出そうなところは書き込むようにしていました。(セールアンドリースバックや減損損失の対象、連結、固定資産の推定、などなど)
これも、ゼブラ暗記マーカーで塗りつぶして、赤シートで隠しながら確認していきました。
またの機会に書こうと思いますが、簿記論と財表の計算って論点の暗記だと思うのですよ。いかに自分の中に正しい知識が軸として入っているかが、捻った問題が出されたときにぶれない秘訣です。
これをやっておくと、個別問題や総合問題を解く量を減らしても計算力が落ちません。といっても初学の方は総合問題を解くことは大切にしたほうが良いですが。
③答練理論 読み
実判からの模試に出たものを読み返そうと思いスケジュールを組みました。
やはり、模試に出たものはみんな勉強してくると思うので。模試で問われたものは出来なくても記憶に残っているので、みんな案外作文できると思うので、その上に行くために見ることにしました。
ただ、実際にやってみれば他の勉強で後回しになることが多く、あまりノルマをこなせていませんでした。
ちなみに直前期前半と中盤であまりできなかったので、ラスト1週間の予定に「時間測って2時間模試スタイルで1日1回解く」という勉強法で補いました。
④TAC基準読み
TAC出版で素晴らしい書籍が出ています。
内容としては会計基準が書かれていて、その後に結論の背景が書かれている感じです。しかも重要な論点を20個ほど絞ってくれています。(私としては安全策でもっと論点増やしてほしいところですが。悩ましいところです。)
TAC生はどのような感じで使っているかわかりませんが、私は次のように使っています。
TAC出版で本書籍と本書籍の音声データを購入します。(これが一番のハードル)
これを2倍速で聞きながら書籍の文字を目追いかけます。
これをやっておくと、いままでに断片的に暗記していた言葉について、その流れがわかるようになります。
具体的な効果として、模試等で問題文を読む際に「この段階で聞きたいことはコレだな」と問題全体の流れを意識した解答作成ができます。
また、実際に多くの基準に触れるので、もちろん基準問題にも強くなります。
今回の試験からもわかるように、財務諸表論では、「現行採用されている処理について、その採用理由を答えよ!」って来なくて、「現行の方法は○○だけど、なんで△△という方法じゃないの?」と言った感じに聞かれたりします。
なんていうか財務諸表論を歴史的に勉強するのが効果的かと。
実際、適正な期間損益計算から今の基準、伝統的な収益費用中心観から制約としての資産負債中心観という感じに歴史的な流れを意識できると強いです。
スケジュールは、これも最初は1週間で1周できるように、ラストは3日で1週できるように組みます。
区切り方はページ数で均等になるように区切ります。
⑤総合問題
大切です。
総合は解けば解くほど点が安定します。
一番たくさん解いたのが本試験前で、次が全統前です。本試験前の取り組みについては参考にしてほしいです。
私はあまり総合問題を解かない人だと思います。本当ならスケジュール通りに仕事がない日は、最低1台を解くべきでした。それでも、本試験が近づくにつれてしっかり解くようにした結果、総合の高得点が安定しました。
私は、総合問題は以下の流れで解いていました。
総合問題を解く(制限時間は設けないが、時間は測る。これは時間感覚を覚えるため)
↓
答え合わせ
↓
間違えたところを整理する
・間違えたのが知識不足→計算要点チェックノートに書き込む
・間違えたのがケアレス→ポメラにミスノートがあるのでそこの打ち込む(たまにiPhoneでみて確認)
間違えるものには大きく2つの原因があって、一つは理解不足と、もう一つはケアレス意識不足です。二つとも取扱いを変えていました。
詳しくは後日書きたいです。
また、あらかじめ解くだろう総合問題の準備していました。
大原講師にいわれた重要な問題↓を意識しました。
1位 過去問(直近5年 66 65 64 63 62)
2位 実判(正答率40%以上を必ず正解する)
ーーーーーーここまででも受かる!
3位 プレ・直対模試(無印を合わせる+平均より5点高く)
4位 全統・直予想模試(無印を合わせる)難しい問題のプレッシャー対策
5位 過去問(61から遡る 61 60 59 58 57……)
実際の流れ
基本は以上に述べた①~⑤をこなしていきます。
余裕があった場合には、簿記論の個別問題集を解いたり、前にこなせなかったノルマをこなしたり、書き込んで①②の暗記内容を増やしたりしていました。
順序としては、
②計算要点チェックノートの確認 (⑤が楽になる。あと面倒なので先に)
↓
④Tac基準読み (①が楽になる。時間かかるので先に終わらせると気が楽)
↓
①理論テキストに書いた問題と答えをアウトプットする(これが一番時間かかる)
↓
⑤総合問題
↓
③答練理論 読み(出来てないでプラスαに行ってしまうことが多かった)
↓
プラスα
この順序が一番ノルマをこなしやすかったです。
つづくけど 一旦まとめ
直前期の過ごし方として、おもにノルマの作り方を勉強法にも触れながら書きました。
ノルマの作り方を意識すれば、本当の後半本試験直前の1週間に「なにすればよいかわからない」という状態にはならないかと思います。勉強の消化不良はモチベーションの低下を招くので、しっかり消化できるよう(かつ大量に消化するよう)工夫しましょう。
次は、直前期の過ごし方についてもっと具体的に日付ベースで書いていきたいと思います。
直前期に消化不良が怖くて学習に行き詰まってしまう人に向けて書きますが、本試験をまだ受けたことがない人が、直前期をイメージするのにも役立つかと思います。