今回は、一番見てほしい総合問題の解き方です。
計算はいかに論点を暗記し、解き方を工夫し、ケアレスミスをなくす心がけをする必要があるかが勝負です。
このうちの解き方を中心に、私の総合の解き方を公開したいと思います。
いままでに同じ解き方をしている人を見かけなかったので、おそらく唯一無二だと思われます。
このブログの価値は本ページに有ります。一番見てほしいページです。
そのため、思い出すごとに追記を繰り返しています。1回読んだとしても、後日また見に来ていただけると幸いです。
目次
長くて画像も多いので目次です。※ジャンプ機能つけてないです。すみません。
・このページを見つけた人へ
・注意点
・一般的な財務諸表論の解き方(いわゆる仮計算スタイル)
・私の総合問題の解き方
・Wメソッドのメリット
・+△を使わずに全てを仕訳で考えるから単純なミスが無くなる。
・仮計算書を作る時間が短縮できる(およそ5分)
・省スペース
・前T/Bの情報がすべて見れる
・前T/B→仮計算書の転記時のミスがゼロになる
・時間が無駄にならない。
・漢字が苦手でもOK
・手が疲れないから1日に解ける総合問題の数が増える
・総合問題の得点力が落ちにくい。シンプルなので
・Wメソッドのデメリット
・①前T/Bの裏ページが問題文だと、そのページだけ解きにくい
・②見たことのない形式が与えられると…解けないかも?
・③販管費や製造原価が多く、前T/B2ページの場合
・貸倒引当金の処理について
・上から順に解く際の注意点(会社名)
・総合問題の解き方について書いてみて
このページを見つけた人へ
初学の方は、今の時期ですとなんのことかと分からないと思いますが、授業が進み1・2回と確認テストを突破すれば内容がわかるかと思います。一回ザラッとみて、10月11月にもう一度見てもらえると助かります。
またこのページを4月5月ぐらいに発見した方もいるかと思います。私的には1ヶ月前でなければ自分のやり方を変えても良いと思います。
簿記論や財務諸表論はスポーツと言われていますが、スポーツに似ているというだけで、スポーツほどの染み付いた動きは求められません。
より効果的な方法に変えることは、進化だと思います。
私は、この方法を思いついて試行錯誤しながら2週間ぐらいで慣れ、この方法でも元の方法でも同じぐらいの点数が取れるようになりました(その後、スピード正確性が増して、飛躍的に点数が上がりました)。
思いついたのは2回目の財表受験時の1月後半です。
注意点
一応今回は私の総合問題の解き方を紹介するのですが、その中で仮計算書で解くスタイルについても書きます。
問題に対する処理能力が高ければ仮計算スタイルでも実際に合格されている方はいるかと思います。
ただ私は処理能力がそんなに高くなかったので、問題を解く処理スピードが遅くても、速く解ける方法を考えました。
記事の中で自分の方法のメリットを伝える際に、比較対象として仮計算スタイルを使う場合、どうしても批判する感じになってしまいます。気分を悪くされた方は、申し訳ありません。
一般的な財務諸表論の解き方(いわゆる仮計算スタイル)
一般的な財務諸表論の解き方としては、大原では「仮計算書を作成して答案に転記して解く」というやり方をとっています。この方法は、以下のような手順で進むかと思います。
前T/Bと答案用紙を比較して金額が印字済みのものを消す
↓
前T/Bのうち消さなかった科目と金額をB4計算用紙(直前期になるとA3)に転記
(前T/Bからすべてを転記する人と、選択して転記する人がいます。)
↓
1ページ目の問題文より、会計期間や四捨五入、税効果%などをB4計算用紙に転記
↓
問題を解き始める
解く過程での仕訳処理は、ほぼ全てをB4計算用紙にプラスマイナスでメモしていく。
※問題を解き始めるまでおそらく7分から10分ぐらいかかるかと思います。
↓
問題が解き終わる
↓
前T/Bから答案用紙に答えを転記する
私の総合問題の解き方
以下Wメソッドとします。ちょっと詳しめに書きます。画像多め。
問題文・計算用紙・答案用紙が配られる
↓
問題文をホチキスする(3箇所)
※後で前T/Bを切り離すためです(ホチキスしていないとバラバラになる可能性があります。)
※また、ホチキスで中間のいらないスペースを圧縮することができます。
↓
答案用紙(計算のみ)を少しズラして右上をホチキスする。
※解いてる中、ページをめくりやすくするためにズラします。
※右上をホチキスするのは、左手で問題文をめくり、右手で答案用紙をめくるためです。(また、答案用紙をめくると自分に対して外側にページがめくられるので邪魔になりません。めくりっぱなしにできます。)
↓
答案用紙に名前を書きながら、答案用紙の内容をチェック
※何が問われているか(販管費書く?税効果注記?C/Rではないな!など)
↓
2つ折りになっている問題文を4つ折りコンパクトにする
※固定資産など前T/Bを使わずに解く際に使います。
※あと仕訳等を書く場合で、問題文の余白では足りなかったときに使います。
↓
正しい配置に並び替える(↓この配置が解きやすかったです。)
※電卓の上側がデッドスペースになるので、ストップウォッチやペンを置いていました。
※右利きなので答案用紙等(後で切り離す前T/B)は右に配置しました。
↓
始めてくださいコールを待つ
↓
試験委員「始めてください」
↓
前T/Bがある問題文のページを切り離す
※この前T/Bを仮計算書として使います。(以下前T/B仮計算書とします。)
↓
前T/B仮計算書と答案用紙を比較して金額が印字済みのものをマーカーで消す
↓
1ページ目の問題文より、会計期間や四捨五入、税効果%などをマーカーで前T/B仮計算書に転記
↓
問題文の「1現金預金に関する事項」「2売上債権に関する事項」とかをマーカーで線を引いて区切る
↓
マーカーで線を引いて区切りながら税効果の資料だけは確認する。
(簡単かどうか、やるべきかどうか、どうやるべきか、集計する項目はなにか)
↓
前T/B仮計算書に赤ペンで縦線を2本入れる
(この縦線は、借方と貸方を意味します。)※写真では分かりやすく赤マーカーで線を入れています。本来はジェットストリームの赤
↓
前T/B仮計算書を答案用紙の上にホチキスする。(これも右上にホチキス。)
※問題文に対して、前T/Bを経由するものは前T/Bにメモ、直接答案用紙に書くものは答案用紙に直接書きます。メモしたり答案したりする箇所が一緒にまとまっているので解きやすくなります。
※これをすることで、前T/Bと答案用紙がホチキスで一箇所にまとまるため、省スペース化できます。
※問題を解く際は、前T/B答案用紙の束をめくりながら解きます。(最終的には「前T/Bから答案用紙に転記する」という時点で、前T/Bと答案用紙のホチキスを解除します。)
↓
問題を解き始める
解く過程での仕訳処理は、7割ぐらいは前T/Bに仕訳の形でメモし、前T/Bに科目がないものはそのまま答案用紙に書いていく。
※5分以内で問題を解き始める段階へいけます。この5分のアドバンテージと前T/Bをそのまま使う正確性が大きなメリットです。
↓
問題が解き終わる
↓
前T/B仮計算書から答案用紙に答えを転記する
※この段階では、前T/B仮計算書を答案用紙から切り離して、前T/B仮計算書と答案用紙を並べて転記していきます。(このときは答案用紙が右側)
Wメソッドのメリット
ここではメリットを伝えたいと思います。+△を使わずに全てを仕訳で考えるから単純なミスが無くなる。
このメリットかなりでかいです。前T/Bに中央線を引いて、すべてを仕訳感覚でメモするため以下のようなミスが無くなります。
・売掛金と買掛金を誤って相殺仕訳していました。修正してください。
↓
売掛金に+500とメモしたが、買掛金には△500とメモしてしまった。(買掛金だけ逆仕訳してしまったミス)
単純に、「売掛金(資産)が増える、買掛金(負債)増える」ということに対して+△を使うのが気持ち悪かったのです。負債が増えるって感覚的に△を付けてしまいそうじゃないですか。
仮計算スタイル↓
※売掛金(資産)/買掛金(負債)なら仮計算の売掛金+と買掛金+、売掛金(資産)/受取手形(資産)なら仮計算の売掛金+と受取手形△。これ気持ち悪くないですか?
仕訳で考えた後、それを+△に頭で変換するのは疲れると思います。
Wメソッド↓
※単純に思い浮かんだ仕訳の形のままメモできます。また「借方(左)に書いたから、もう一方は貸方(右)」とわかった方が単純じゃないですか。
仮計算書を作る時間が短縮できる(およそ5分)
税理士試験では時間価値が高いです。多くの時間があれば丁寧に問題を解くことができるし、多くの問題に挑戦することができます。「あと3分あれば○点得点できたのに」と後悔するケースが減ります。
省スペース
単純に仮計算書よりも切り離した前T/Bの方が小さいので省スペースです。
机の狭い会場にも強いです。
前T/Bの情報がすべて見れる
答案用紙に印字済みでも必要な資料はあります。例えば長期貸付金とかが答案に印字済みで、前T/Bから仮計算書に転記していないと、貸倒引当金関係でミスをする可能性が高いです。前T/Bのどの情報が答案作成時のヒントになるのか、これは問題によって違い仮計算書スタイルでの対策の建て方が困難かと思います。それなら前T/Bをそのまま仮計算書として使い、情報を全部持っていきましょうということです。
また、前T/Bを基本的に1度しか見ない仮計算書スタイルでは、前T/Bを見間違えるリスクがつきます。
難しい問題があると自分の知識を疑うぐらいなら良いのですが、最初に作った仮計算書を疑うという感じに疑心暗鬼ぎみになるとケアレスミス連発です。
前T/B→仮計算書の転記時のミスがゼロになる
仮計算書スタイルでは、前T/Bの情報を仮計算書に転記する際にミスをします。数字を書き間違えたり、科目を書き間違えたりと。
例:前T/Bは82,760円だが、仮計算書に82,960円とメモしてしまった。
時間が無駄にならない。
例えば、時間が足りなくて退職給付を解かなかったとするじゃないですか。それでも仮計算書に退引186,000、退費8,600とかメモっているわけで、この数秒が完全に無駄なわけです。
手を付けたところにだけ時間を使って得点できるのが理想で、仮計算書スタイルでは固定費的な要素が多すぎます。
総合問題で得られる得点を成果と捉えると、それを得るための努力にあたる費用は変動費の方が良いわけです。
漢字が苦手でもOK
前T/Bにはフルで科目名が記載されています。漢字が苦手でも前T/Bから答えを答案用紙に転記するので漢字の心配がありません。(もちろん勘定科目と表示科目の違いは気をつける必要があります。)また、車って仮計算書にかいてあるけど「車両」だっけ?「車両運搬具」だっけ?ということも回避できます。
仮計算スタイルでもこれらを回避する工夫はあります。ただ、その工夫を忘れた場合には、結局前T/Bを見返す必要が出てきてしまいます。
手が疲れないから1日に解ける総合問題の数が増える
仮計算書は作るのが結構手間です。ものすごい速さで前T/Bの情報を仮計算書に転記しなければなりません。その作業がイヤで総合問題を解くのが億劫になって人もいるかと思います。
Wメソッドなら、「アップで軽く過去問解いて、模試の難しい問題を解く」ということもできます。
総合問題の得点力が落ちにくい。シンプルなので
仮計算書スタイルは、単純に時間がかかるのでそれを克服するためのテクニックが多くなるかと思います。この場合、すこし間が空くと高得点がでなくなります。どのようにメモする、どれをメモする、時間の管理、解く順番などテクニックが増えるほど、その方法を実践する力を維持する必要があるので。勘違いしてほしくないのがWメソッドは、シンプルなのです。
上から順に説いて、以下の情報を答案用紙に流すだけです。
このため直前期以外は、1日1台総合問題を 解く必要はありません。解き慣れるためだけの時間を、計算・理論インプットの時間に充ててください。
※直前期は1日1台解いたほうが良いです。
Wメソッドのデメリット
デメリットを大きく上回るメリットがあるのですが、デメリットがあるのも確かです。デメリットとしては次のものがありますが、それぞれ対策をたてて乗り切りました。
①前T/Bの裏ページが問題文(「1現金預金に関する事項」「2売上債権に関する事項」などの)だと、そのページだけ解きにくい
①に関しては、前T/Bと問題文の間に計算用紙を設けることで対応しました。問題見てひっくり返して前T/Bにメモして、だと焦ってケアレスミスをする傾向にあったので。
スピードが遅くなる部分は1ページだけなので目をつぶりました。
ちなみに66回は、この解きにくいページ配置で、今回の67回は解きやすいページ配置でした。
②前T/Bの形式を前提にしているので、見たことのない形式が与えられると、もしかしたら通用しない場合があるかも
②に関しては、本当に運が悪い場合です。この方法を思いついてから、この方法が通用しなかった総合問題には出会ったことがありません。
強いて言えば本支店会計の総合問題でしょうか?
少ない可能性を恐れて、高いメリットたちを見逃すのは得策ではないと思います。
また、実際は仮計算書で解きにくい問題にあたるケースの方が多いかと思います。(前T/Bの情報が多い、C/R)
③販管費や製造原価が多く、前T/B2ページの場合
③に関しては、2ページ目のはみ出た販管費や製造原価を、1ページ目の前T/Bに書き込んで対応しました。ここだけ従来の仮計算書スタイルと同じように書き込んで対応するわけです。(といっても+△を使わないでWメソッドでメモしますが)
印字済みのものは書き込みをしないので、そんなに書き込む負担は感じません。
↑真ん中に表示科目を書いて、問題上金額が動いたらWメソッドのように右左に金額をメモする。私は画像のような感じにメモして対応しました。
貸倒引当金の処理について
Wメソッド上の貸倒引当金の処理はちょっと特徴があるので説明します。貸倒引当金の処理だけ別の紙に集計すると、売掛金や受取手形の動きを前T/Bにも別紙にもメモする必要があり、ミスが連続します。本方法なら、前T/B上ですべて処理するため、管理が一本化出来ます。
ざっくりポイントを箇条書きで説明します。
画像とポイントと答えを見ればなんとか分かるかと思います。
雑な説明で申し訳ないです。
ポイント
・前T/B上で全てを処理する。
・前T/Bの上側が流動資産、下側が投資その他の資産として使う。
・上側には貸倒懸念債権(○ケ)や短期貸付金・未収収益をメモ
・下側には短期
・貸倒懸念債権は、()をつけてメモする。()←このなかの金額は、B/Sに書く受取手形や売掛金の算出時に考慮しないという意味。
・担保金額は、()をつけてメモする。()←このなかの金額は、貸倒懸念債権や破産更生債権等の引当金を算出する時に差し引いて計算するという意味。
・つまり、()は、上記「貸倒懸念債権」と「担保金額」を意味する。
・①や②という感じで貸倒実績率をメモ
画像
答え 67回
B/S
受取手形483,775円
売掛金335,225円
短期貸付金20,000円
流動 貸倒引当金△12,780円
破産更生債権等1,224円
P/L
販管費 貸倒引当金繰入 7,400円
営業外費用 貸倒引当金繰入 200円
特別損失 貸倒引当金繰入
1,224円
上から順に解く際の注意点(会社名)
私は上から順に、つまり現金預金に関する事項から順番に解いていきます。これは、Wメソッドを活用すればほぼすべての総合問題を80分以内に解けることを想定しているからです。(上から順に解くと、問題の解き漏れ防止にもつながります。)
基本的に上から順に解きますが、必要な情報が後半部分にある場合にはその都度その情報を探しに行きます。
例としては関係会社があります。
現金預金に関する事項→売上債権に関する事項と進む中で「A社への売上計上が未処理であった」という資料を見つけたとします。
このとき「A社は関係会社か?」という情報は、売上債権に関する事項の問題文にはありません。この場合には、後半部分にある「有価証券に関する事項」あるいは「その他の事項」を見て、A社が関係会社かどうか判断します。(A社の関係会社判定をするだけで、有価証券に関する事項の問題は解きません)
とりあえず会社名が出るごとに、その会社がなんなのか資料を探しに行くのです。
よく有価証券から解く人がいますが、その理由は関係会社を把握してから、売上債権に関する問題に着手したいためです。
でも実は売上債権に関係会社が絡む数は意外と少ないんです。難しい有価証券から手を付けてしまって全体の時間配分バランスが崩れてしまうことのほうがリスクがあると思います。
総合問題の解き方について書いてみて
自分の解き方を文章で説明するのは難しですね。半分ぐらいしか伝えられてないかもです。
実際に、財務諸表論の勉強法や解き方について書いてみましたが、かなり大変ですね。
そろそろ法人税法の勉強が始まり、また仕事も忙しくなってくる(正社員として働きます)ので、一旦Financiiはストップしようと思います。
一番書きたかった、総合問題だけでも書けてよかったです。次に書くのは4ヶ月後の合格発表時か、来年の法人税受験後だと思います。
コメントの対応については分かる範囲で答えたいと思います。